鳥谷敬が2000本安打を達成するとき笑顔はあるのか?『キャプテンシー』を読んで

京セラドーム練習見学鳥谷選手

今年(2017年)の5月に顔面デッドボールを受けた鳥谷敬選手。

その後も好調を維持していて、阪神の今の順位があるのは鳥谷選手のおかげといっても過言ではないでしょう。

超一流選手の証である2000本安打の達成も時間の問題です。

その鳥谷選手の自伝、キャプテンシー (角川新書)を今になって読んでみました。

Amazonの評価が低くて少し不安だったんですが、個人的には読んで本当に良かったという感想。

ありきたりの内容ではなく、意外な一面も知れて、応援したいという気持ちがますます強くなりましたね。

鳥谷がサヨナラヒットを打ったときだけ笑顔の理由

鳥谷選手はあまり感情を表に出さないですよね。

感情を出すことよりも考えることに集中しているから。

ただ、サヨナラヒットを打ったときはすごい笑顔になります。

その理由がこの本を読んではっきりわかりました。

こんなふうに語っていますよ。

どうして素直に喜ばないのか。

勝ち越しのタイムリーや逆転ホームランを打ったとしてもそれで試合が終わったわけではないからだ。

僕のサヨナラ打で勝利が決まったのなら、喜んでもいい。逆転しても、次のイニングに逆転されるかもしれない。だったら、喜んでいる場合ではない。「そんなヒマがあったら、次のことを考えるべきだ」 僕はそう思うのだ。

2000本安打を打つときもきっとそこに笑顔はなく、いつも通りのクールな表情なのだと思います。

大学に入るまではケガが多かった

これはとても意外でしたね。

「連続試合出場」では歴代2位の記録を持っているほどケガをしない鳥谷選手。

けど、もともとそれほど体が強かったわけではなく、ケガが多かったようです。
中学時代は成長痛が長く続き、高校では野球を辞めようかと思っていたとも……。

さらに高校では投手もやっていましたが、肩の痛みに悩まされます。

そして大学に入る直前には指を骨折。

ただ、大学に入ってからはほとんどケガをせず、一年の春から四年の秋まで、全試合に先発出場。

この記録は鳥谷選手も誇りに感じているようです。

キャプテンも副キャプテンもやったことがなかった

芯がしっかりしている男というイメージだったので、これも意外。

シニアリーグから、大学に至るまでキャプテンも副キャプテンも本当に一度もないとのこと。

それだけ周りにすごい人が集まっていたということでもあるのかもしれませんが。

早稲田大学時代をこのように振り返っています。

一学年上にはダイエーに入団する和田毅さんがエースを張っていたし、同学年には比嘉、由田、青木がいた。出ているメンバーはほとんどがプロを目指している感じだった。

指導者になるつもりはない…

これは正直ショックでした。。

将来阪神の監督に…という思いがあったので、残念ですね。

こんな風に語っています。

現役を退いたら、監督やコーチになる気はない。解説者になるつもりもない。人に教える柄ではないし、自分がプレーしていないのにあれこれ言われるのはたまらない。人を批評したり、評価したりするのも好きではない。できれば、引退後は野球とはまったく関係ないところで生きてゆきたい

中田英寿さんをイメージするのは私だけでしょうか。

けどどんなことをしていくのか、楽しみでもありますね。

プロ野球選手は個人事業主

「プロ野球選手は個人事業主」という言葉も印象に残りました。

ベース上で相手チームの選手と会話している姿ってよく見ますよね。

「なんで敵の選手と会話するんだろう?」とか不思議に思っていました。

けど、きっとそれぞれの選手の中に「お互い個人事業主同士、がんばっていこうぜ」みたいな仲間意識があるんじゃないかなと。

チームの勝利とか優勝よりも個人成績が大事という話も書かれていましたが、たしかにクビになったら優勝どころじゃないですもんね。

個人事業主だから自分のことには最大限責任を持つ。

試合に出続ける鳥谷敬の精神はここにあるんだなと実感できました。

選手自身を知ることでスポーツ観戦をもっと楽しめる

スポーツ選手の自伝本はこれからも読んでいきたいと思っています。

プロだということを理由に、成績だけで賞賛、批判してしまうことって多いはず。

けどその人自身に焦点をあてて、どういう思いでスポーツをしているのか、といった内容を知るとまたちがった角度でスポーツ観戦を楽しめそうですね。

キャプテンシー (角川新書)はこちら

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